「それならば、なおさら不可能なのでは? オッパなんて無謀なことを諦めて、一緒に上野にサムギョプサルでも食べに行こうよ」と誘うと、彼は不敵に笑って断った。
「いいや、徹底したリサーチが叩き出した秘策があるのだ」
「そ、それは?」
「フフフ、将を射んと欲すればまず馬を射よ、とだけ言っておこう……」
それから 2 年あまりがすぎた。さすがに私も、あの無謀な計画のことは忘れかけていた。そんなある日、友人から成功したという知らせが届いた。私は羽田空港に彼を迎えに駆けつけた。姿を現した彼は、日本を発ったときに比べて、いくぶん精悍な顔つきになったように見えた。故国に降り立った彼に、挨拶もそこそこに、私はあの謎めいた発言について尋ねずにはいられなかった。
「私はとにかく韓国の男性と親しい友達になったのだ。そして、互いに家を訪問し合う間柄になった。親しくなった友人のひとりに妹がいた。付き合いを重ねるうちに、その友人の妹がごく自然に私をオッパと呼んでくれたのだ。兄の親しい友人としてね」
この「オッパ・チャレンジ」の成功の波に乗り、次は「ヌナ」と呼ばれたい、と友人は今、厳しいトレーニングに打ち込んでいる。