苦い文学

世界観戦争

私たちは世界観が大好きだ。「魔法が現実に存在する世界」「記憶が貸し借りできる世界」「愛が禁止された世界」「同じ一日を何度も繰り返す世界」などなど、面白い世界観がなくてはもう生きていけないほどなのだ。

だけど、どんな世界観でもいいというわけでもない。つまらない世界観だってある。とくに私たちの世界観を邪魔する世界観は最悪だ。たとえば「私たちをきらいな人が幅を利かせている世界」とか、そんな世界観にはついていけない。それで私たちは、自分たちの世界観を守るために、不愉快な世界観の撲滅に立ち上がった。

私たちの世界観が、不快な世界観とがぶつかって、摩擦が生じ、ついに火が着いた。世界観の戦争がはじまったのだ。別の世界観も次々と巻き込まれて、世界世界観戦争の様相を呈しきてきた。世界中で燃え盛る戦火のせいで、もう世界そのものが消滅しそうなほど。だけど、私たちはまったく気にしてない。なぜなら、世界がなくても世界観はなくならない、そんな世界観だから。