犯人が捕まったとき、テレビ局がまず探すのが小学校の卒業文集だ。なぜなら、犯行の全貌を明らかにするためには、犯人の子どものときの作文が不可欠だからだ。「犯罪者は子どものときから犯罪者だ」と喝破するほどの鋭い知性の持ち主でなければ、テレビマンはやっていけない。
それで人々は、日本中の卒業文集を探し歩いて、これぞというものをストックするようになった。なぜなら、必要なときにテレビ局に高値で売りつけることができるからだ。なかには、犯罪率の高い地域の小学校に絞って、卒業文集を集めている人もいる。投資にものを言うのはデータだ。
そんななか、最近では富裕層が新しい取り組みを始めた。いくつかの小学校をターゲットにして、近隣を極度に貧困化することで、子どもの犯罪性向を人工的に高めようというのだ。政治家たちの力を借りて、当該地域へのヤクザの移住も積極的に推進している。そして、選りすぐりの教師たちが、これだという児童に心の傷を与えて犯罪への脆弱性を育むとともに、しっかりとした作文指導を施して、すばらしい卒業文集を毎年制作しているという。
いつの日か、これらの小学校が輩出した著名な凶悪犯たちが、卒業文集の価値を高騰させ、巨額のリターンで報いてくれるはず、と富裕層は、今も卒業文集の養殖に巨額の投資を続けている。