アメリカ大統領が日本にやってくると「日本でも銃を自由化せよ」と圧力をかけた。おりしも存立危機事態のことばかり考えて夜も眠れない状態だった日本の首相、内心「これは国民皆兵にうってつけだ」と考えて、得意の英語で「ダー」と返事をした。
たちまち日本に銃を積んだコンテナ船がやってきて、米兵たちがまるでチョコレートでも配るように、「ギブミーガン」と群がる日本人に銃を撒き散らした。
人々はさっそくあちこちで銃乱射に精を出した。撃ち鉄たちが満員電車に向けて銃を乱射すれば、乗客も駅員も撮り鉄も過去の因縁を忘れて仲良く撃ち殺された。銃をもったクレーマーときたら、もう無敵で、病院の待合室、携帯の売り場、コンビニのレジ、クレームのクの字が出る前に、銃口から弾丸が飛び出た。ラーメン屋では年がら年中イラついている店主と客が撃ち合い、ラーメンに血のトッピング(無料)だ。学校では銃撃の音がチャイム替わりで、子どもたちは逃げ足ばかり早くなった。
アメリカの大統領は日本での事態を受けて、声明を発表した。
「アメリカで銃乱射事件が多発しているなど、フェイクニュースだ。日本に比べれば銃乱射が少ないくらいだ。銃規制など必要ない!」
日本の政治家たちは、よその国を使って銃規制派をやっつけるアメリカのやり方に感心するあまり、日本が存立危機どころかもう存立すらしていないのに気がつかなかった。