苦い文学

人類の繁栄

我々人類とネアンデルタール人が交雑していた、というのはもはや常識であるが、これはとりもなおさず、人類とネアンデルタール人が結婚していたということを意味する。いや、そればかりではない、離婚していたことも同様にはっきりしているのだ。

というのも、もしも両人類が末長くむつまじく添い遂げていたら、我々は今頃、ネアンデルタールとホモサピエンスの中間の人類となっていただろうからだ。

では、いったい、人類とネアンデルタール人はどのような理由で離婚したのだろうか? 性格の不一致、いや種の不一致だろうか? それとも、浮気だろうか? 相手が別の原人と手をつないでほら穴から出てきたところを写真に撮られて、それが動かぬ証拠となった、という可能性も否定はできない。

もちろん、離婚の理由は化石には残らないから、なんともいえない。だが、ひとつだけはっきりしていることがある。離婚後の子どもたちの親権は、必ず人類のほうが獲得したということだ。これが、その後の人類の繁栄につながったのだし、逆を言えば、これこそがネアンデルタール人絶滅の真因となったのだ。

現代も古代も、いい弁護士が大事だということだろう。