苦い文学

サンスーシ宮殿

ドイツ、ポツダムの観光地といえば、サンスーシ宮殿だ。これはフリードリヒ大王が、1747 年に建てた宮殿だ。

広大な庭園に囲まれていて、宮殿から 30 分弱歩くと、サンスーシ新宮殿と呼ばれる別の宮殿に行き着く。今回、学会の会場のあったポツダム大学はこの新宮殿の裏手にあり、私はサンスーシ内の散歩道を歩いて毎日通っていた。

宮殿内を巡るチケットは、近くの売店で買うことができる。宮殿と新宮殿で 22 ユーロだ。チケットを買うとそれぞれの入館時間を指定される。これは混雑を避けるためで、時期によってはネットで予約したほうがいいそうだ。専用のアプリがあり、これをダウンロードすると、英語などで解説を聞きながら回れる。サンスーシ宮殿のほうでは日本語の音声ガイドを貸してくれる。

宮殿の各セクションには係員がいる。私は絨毯の敷かれていないところに立ったり、壁際のテーブルにうっかり手を乗せたりして、2 度ほど注意された。また、ショルダーバッグを後ろに回さずに前にかけるようにとも注意された。混んでいる時期にはスリが現れるもののようだ。

サンスーシ宮殿はこじんまりしていて、生活感が漂っている。ヴォルテール先生ご宿泊と伝えられる客室もあり、部屋を飾る自然をモチーフにした鳥、動物、果物のレリーフは見ものだ。

新宮殿は公務や社交の場のようで、大きくて立派だが、それほど面白くはない。壁の奥まった部分にはコンセントの穴があり、おそらく召使いたちが偉い人の目を盗んで携帯を充電していたにちがいない。