アメリカ合衆国大統領、ドナルド・トランプが、国防総省を戦争省に改称すると発表した。ツイッター(現 X)での日本人の反応を見ると、「バカげている」と呆れる人、「戦乱の世の到来か」と危ぶむ人、「なにをいまさら」とアメリカの歴史を引き合いに出す人などさまざまだが、基本的には否定的に捉える人が多いようだ。
いっぽう、肯定的にこれを捉える人もいる。いわゆる陰謀論者たちで、これらの人々は、この改称をもってして、自分たちのヒーローであるトランプが「DS(ディープ・ステート)」に対して本格的な宣戦布告をしたと歓迎しているようだ。
私はというと、やはり否定的な解釈に組みするものだが、それでも、今回の改称が、この戦争だらけの世界に一縷の希望をもたらすのではないかという可能性も信じたい。
というのも、war が「戦争」ではなく、アメリカのファンク・バンドの War である可能性も否定できないからだ。War は、アニマルズのエリック・バードンらが結成したバンドで、1970 年にデビューした。以来、数々のアルバムを発表しているが、中でも有名な曲は、1975年の「Why Can’t We Be Friends?(邦題:仲間よ目を覚ませ)」だ。
この曲は、タイトルの通り、戦争などの対立を乗り越えて友達になろう、という歌だが、アメリカ人がこの名曲を忘れるはずはない。万が一のことかもしれないが、近いうちに、目を覚ましたアメリカ政府が、戦争省をさらに改称して、Why Can’t We Be Friends? 省とするかもしれないということを念頭において、日本政府は対米外交政策に取り組むべきだと思う。