苦い文学

夏の恐竜

恐竜は冬眠をしたのでしょうか。

従来の学説だと、恐竜は、トカゲと同じような変温動物であり、冬は体温が下がるため、冬眠していたとされていました。

ですが、最近の研究では、恐竜は恒温動物、つまり寒くても体温を維持できたため、冬眠はしなかったという考えが主流だとのこと。というのも、寒冷地にも適応した恐竜がいたこともわかってきたからです。

これに対し、異を唱えるのが、吉田九郎さん。吉田さんは古生物に関する長年の研究にもとづき「やはり恐竜は冬眠していた」と主張しています。

「その証拠はじつは私たち人類に隠されています」と吉田さん。「もちろん人類は恐竜時代にはまだいませんでした。ですが、人類の祖先となる小さな哺乳類は恐竜と同時代を生きていました。これらの哺乳類にとって恐竜はじつに恐ろしい存在でありました。あまりにも恐ろしかったので、その恐怖の記憶が DNA レベルで刻み込まれ、現在の私たちにも引き継がれているのです」

吉田さんは手に持った「夏休み特別企画、大恐竜展」と描かれたチラシを見せます。

「これがその証拠です。私たち人間が夏になると必ず恐竜展を開催してしまうのは、DNA に組み込まれた太古の恐怖がなせる技なのです。つまり、哺乳類にとっては夏といえば恐竜なのです。もし恐竜が冬眠していなかったら、真冬にも恐竜展を開催していたことでしょう!」