苦い文学

ホトトギス作戦

悪いこといわないから、日本人はアメリカ車を買ったほうがいい。それから、道もどんどん広くしたほうがいい。なぜなら「日本の道は狭いので、アメリカ車は適していない」というみえすいた言い訳ほど、アメリカ人をイラつかせるものはないからだ。

さもなければ、アメリカは、お得意の実力行使にうってでることだろう。日本の道を広くするために、日本の大都市を絨毯爆撃する作戦、コードネーム「ホトトギス」だ。「狭いなら広くしてやるホトトギス」というわけだ。アメリカ人は戦争の前にちゃんと相手の国を研究するといわれている。

攻撃などそんなバカな、と否定する人もいるかもしれない。だが、それは、ホワイトハウスが「皇居の地下に核爆弾製造施設がある証拠を掴んだ」と言い出さない場合だけだ。そして、そんなファクトは核爆弾よりも容易に製造できるのだ。

かくして我が国は破壊され、その焦土の上を、もう全部が道だとばかりにアメリカ車だけがゆうゆうと走ることになる。日本車は禁止だ。日本車愛好家は、みなテロ罪で逮捕され、グアンタナモに送られるだろう。

ときどき市民が日本車シンパの容疑で連行される。アメリカの手先になった日本人にいじめられながら、トヨタやホンダのエンブレムを踏まされるはずだ。