苦い文学

カレン人の教会(2)

私はカレン人との付き合いが長いので、教会の礼拝にも何度もいったことがある。もちろん、ビルマ語かカレン語なので何を言っているかわからず、たいてい昼ご飯や夕ご飯のことを考えている。

今日の礼拝は 1 時半に始まるが、何時に終わるか尋ねたら、4 時だという。2 時間半か……ご飯のことを考えるだけでもつだろうか、と不安になっていたら、教会の人に日本語の上手な人がいて、通訳をしてくれることになった。多少は気がまぎれるというわけだ。

ここのカレンの人々の礼拝がどんなものかを書くことができるのもそのおかげだ。これはもしかしたら重要なことかもしれない。なぜなら、選挙の結果次第では、みんな追い出されてしまうかもしれないから。

さて、この日、7 月 13 日は、特別な礼拝で、Judson Sunday とのタイトルがつけられていた。おそらく、ビルマの多くのキリスト教会でも、同様だったにちがいない。というのもこの日は、1813 年、アメリカ人宣教師、アドニラム・ジャドソン(Adoniram Judson)がはじめてビルマにやってきた記念日だから。

ジャドソン以前にもキリスト教はビルマにやってきていただろうが、ジャドソンの宣教活動がめざましいものであり、また聖書をビルマ語に訳したという偉業もあって、最初のキリスト教宣教師だとみなされている(彼はまた辞書や文法書も書いている)。

ジャドソンはバプテストの宣教師で、彼からビルマのバプテスト教会の歴史が始まったといえる。

さて、彼はビルマ人、モン人、カレン人などをキリスト教に改宗させたというが、カレン人のうち、もっとも知られているのは、コー・タービュー(Ko Tha Byu)という人だ。

もともとコー・タービューはとんでもない悪党だったそうだが、ジャドソンに出会って改宗するや、熱心な活動家になり、カレン人キリスト教の歴史に名を残すまでになった。

私は以前、エーヤーワーディのパテインという町で、コー・タービュー記念ホールに行ったことがあり、そこには大きな彼の肖像画が飾られていた。