苦い文学

練馬変態クラブの憤慨

練馬区の変態たちがつくる練馬変態クラブは、1974 年には活動をしていた変態市民団体の草分け的存在だ。月一回で行われる会合では、誰もが公式の衣装、つまりブリーフいっちょうで参加するのが決まりとなっている。集まると、会員たちは互いにブリーフを誇らしげに見せ合いながら元気よく叫ぶ。

「ぼくはライオン!」「ぼくはゴリラ!」「ぼくは象!」

ブリーフの正面真ん中には、それぞれお好みの動物の顔が描かれていて、その動物を報告する。これが、練馬変態クラブの決まりなのだ。だが、普段は明るい会員たちが近頃どうも落ち込み気味なのだという。

その原因は最近のニュース、小学校の教師たちが盗撮した児童の写真をネットで共有していたという報道にあった。会長のへんいちさんに話を伺うとこう答えてくれた。

「私たち変態が問題視しているのは、この見出しです。『変態教師グループ逮捕』 ひどいではありませんか。変態は犯罪者ではないのです」と会長は憤る。

「私たち変態も、この教師たちのしたことに怒っていることには変わりはありません。ただ、彼らは変態ではなく、犯罪者なのです。こうした書き方は、変態は犯罪だという誤解を与えます。私はメディアに問いたいです。教えてください。変態は、罪ですか? メディアの差別的な姿勢に断固抗議いたします」

練馬変態クラブは、抗議文を記したブリーフを履いてメディアに乗り込み、脱ぎたてを公式プレスブリーフとして報道関係者にじかに手渡す予定だ。