苦い文学

オールジャパン認証機構

「日本人が一丸となって、オールジャパンで力を発揮すれば、きっと素晴らしい日本を取り戻せることでしょう」 安倍首相が語ったというこんな言葉を掲げて設立されたのが、オールジャパン認証機構(AJCO)。

日本人の活躍の場を広げ、日本で生まれた素材や原料の使用を推進することを目的とした団体です。今、この団体がある疑惑に揺れています。

(ぼかしの入った映像、荒れた会議の様子)「なにがオールジャパンだ!」「嘘っぱちなじゃないか!」「そうだ!」「そうだ!」

そもそもこの団体の「オールジャパン認証」とはなんなのでしょうか。ホームページを見ると……

「日本人のパワーを結集して製作された製品、生産された作物、あるいは、国産の素材のみを用いて作られた商品・フードなどに与えられるのが『オールジャパン認証』です。」

「オールジャパン認証を得るには AJCO の審査を受けなくてはなりません。製造者・生産者に外国の血が一滴でも流れていた場合や、オールジャパンとは認められません。外国産の原料、外国人の力、外国の思想が混入していないか、厳しいチェックをパスしたものだけが、晴れて「オールジャパン認証」を受けられるのです。」

そして、騒動のもととなったのがこの認証シール。企業は、これを商品など貼ることでオールジャパン認証を受けたことを明示することができます。ですが……

会議に出席した人々は口々に不満を語ります。「オールジャパン認証シール? これを作るのに中国に発注したというんだから、呆れてものもいえないよ!」「ほら見てくださいよ。日本語がわからないから『オ一ルヅヤパソ』になってるんです!」「団体は『中国は昔は日本だったから』というんですよ。いくらなんでも取り戻しすぎでしょ!」

機構側は、シールの認証手続きに間違いはなかったと、徹底抗戦する構えです。