苦い文学

富裕層の習慣

富裕層といわれる方々には、共通する習慣があります。お金を大事にする、無駄遣いをしない、というのはもちろん富裕層ですから当たり前のことですが、このほかにもたくさんあります。なかでも私が富裕層の方々を見るにつけ、いつも感心させられ、見習いたいものだ、と思う習慣が3つあります。それは、新しいことに挑戦する、失敗を恐れない、感謝の心を忘れない、というものです。

富裕層が挑戦? などというとびっくりする人もいるかもしれません。ですが、みなさんも、富裕層の方々が宇宙旅行に飛び出したり、海底探査に乗り出したり、見ず知らずの人々にお金を配っているのをみたことがおありではないでしょうか。お金は、好奇心いっぱいで常にチャレンジしている人に集まってくるのです。

ここで、私がお会いした富裕層のあるお方のチャレンジについてお話しさせてください。この方が関心を持たれたのはまさに「富裕層の習慣」でした。ご自分も富裕層であるそのお方は、富裕層の習慣を実践することで本当に人が富裕層に仲間入りできるのかどうか、果敢にも実験で確かめようと考えたのでした。

このお方は、スラム街に人を送り、数名の貧しい子どもを連れてきました。そして、「富裕層の習慣」を教え込んだのでした。たとえば、時間を大切にする習慣、貯金よりも投資を優先する習慣、モノよりも経験を重視する習慣、グチをこぼさない習慣……その好奇心旺盛なお金持ちは、貧民の子どもたちにありとあらゆる富裕層の習慣を身につけさせると、地下の小部屋に閉じ込めました。そして、ビデオカメラを通じて、これらの子どもたちが富裕層になるかどうか、観察をしたのでした。

結論から申し上げますと、実験は失敗に終わりました。子どもたちは、富裕層になる兆候を見せずに、あえなく飢え死にしてしまったのでした。

私は、富裕層とはなんと素晴らしい方々だろう、と思わずにいられないのですが、その富裕層の方は、失敗したことを残念に思いませんでした。それどころか、喜んだのです。なぜなら、それは新しいことに挑戦した証拠だからです。そればかりではありません。そのお方は、子どもたちへの感謝の言葉すら口にしていたのです!