AirPods は Apple のワイヤレスイヤホンで、iPhone と相性がいいので、私も使用しているが、最近、面白い機能が追加されたのを知った。それはイヤホンガイド機能だ。
イヤホンガイドというと、歌舞伎などの伝統芸能の物語の説明や解説などに用いられるものだが、AirPods の機能は違う。AirPods を耳に装着していると、装着している私の行動について解説してくれるのだ。
例えば私がコーヒーを飲もうとするとこんなふうに解説してくれる。「ここで主人公がコーヒーを飲むのは眠くならないようにそうしているのです」 また道を歩いていると「この時代の道は舗装されているのが普通で、人々は硬い路面から足を守るために靴を履いていました」と時代背景にまで踏み込んだ解説が聞ける。
また、どのように情報を得ているのかわからないが、出会う人についても教えてくれる。「今、主人公が話している人物が着ているシャツは UNIQLO で買ったものです。このことから着ている人が普通の庶民であることがわかります」 また私の友人について「この人は善人のようですが、物語の後半で、主人公を裏切るとんでもない悪人であることがわかります」というので、すぐにその人と縁を切った。
私はこの機能が気に入って、もうなくては済ますことができないくらいだった。だが、さっき、イヤなことが起きて、すぐに使うのをやめた。
AirPods がこんな解説を私の耳元で囁いたのだ。「この場面ののち、主人公が死ぬという衝撃の展開が待っています」
AirPods も捨ててしまった。やっぱりワイヤレスより、有線のほうがいいと思う。