苦い文学

シティポップの誕生

シティポップは1970年代の日本で生まれた音楽ジャンルのひとつで、いわゆる「洋楽」の影響を受けながら、日本の当時の洗練された都市文化も反映した音楽です。

このシティポップが現在、世界中で注目されています。特に韓国では、80年代から日本のシティポップの受容が始まり、現在では独自のフレーバーを持つ韓国シティポップが日本でも愛好されるようになりました。

さらに、タイでもバンコクを中心に、優れたシティポップが制作されるようになっています。

ここで、都市について研究を重ねる都市学者がシティポップについてこんなことを言っていたのが思い出されます。

「洞窟に住んでいた人類が住居を作り、その住居が集まって集落となる。その集落が集まって村となり、その村が集まって、大きな村となる。やがて余剰生産物が発生し、それを管理する存在として王が生まれ、村々を束ねる都市が誕生する。その都市が発展し、人口も増え、その増加した人口と社会を管理するための官僚機構が整備されると、大都市となる。この大都市は周辺の人々と富と技術を飲み込みながら拡大し、最終的にシティポップを生み出す」

今後、戦争が起きて、文明が破壊され、私たちが洞窟に暮らすようになったとしても、そこからいつの日か素晴らしいシティポップが誕生するかと思うと、ゴツゴツした岩場でも楽しく眠れそうですね。