苦い文学

義太夫一日体験教室(三味線コース)

正座のことばかり書いて、肝心の内容についてはほとんど触れなかった。

義太夫一日体験教室は三味線コースと語りコース、各90分の2コマからなり、お昼を挟んで午前と午後に分かれる。参加者の定員は各コース12名程度で、私のように両方出る人もいる。性別・年齢もさまざまで、演劇関係の人もいるようだった。

三味線コースは、実際に正座をして三味線をもち、演奏を体験することができる。教えてくださるのは、鶴澤駒治先生で、そのほかに、二人のアシスタントがそれこそ手取り足取り教えてくれる。初めて三味線を持つ私は、バチの握り方もわからない。そういうのも、アシスタントの方が教えてくれる。また、先生が目の前で実際に演奏してくれるのもとてもよかった。

自分で弾いてみて三味線がそれなりに音を出してくれるのにも感動した。とはいえ、爪で押さえるべき弦を、私はギターのようについつい指の腹で抑えてしまい、なかなかいい音が出なかった。

練習したのは「ソナエ」という出だしのフレーズ、「三重」という語りの終わりなどに出てくるフレーズ、場面の変わり目に出てくる「ヲクリ(の一部)」で、初めは簡単そうだが、だんだんと難しくなってくる。最後の方は混乱したが、あくまでも「体験」なので私としては気分が味わえればいいという感じだ。(つづく)