日本人というのはなんてずるいのだろうか。私たちアメリカ人は日本車をたくさん買っているのに、日本人ときたらアメリカの自動車をまったく買わないのだ。私たちがこの日本の態度を非難すると、日本人どもは決まってこういうのだ。
「アメリカさんの車はとっても素晴らしいのですが、なにせ私たちの国は小さいもので、ほら、道なんか狭いでしょう! しかも、手前どもはみな貧乏でして、アメリカさんのゴージャスな車はちょっと分不相応というわけで……」
アジアの黄色い猿どもがなにをいうか。私たちはとうとう堪忍袋の緒が切れた。そんなにいうならば、お前たちが偉大なアメリカから奪い取ったものを倍にして取り返してやろうじゃないか。
私たちは日本人に対してドーンと関税をかけてやった。原爆級のやつだ。さすがに連中ふるえあがって、すがりついてきた。「どうかお許しください」と猿顔の首相が泣きつく。「日本政府が責任を持ってアメリカ様の車を買いますから、どうかここはひらにギブミーチョコレート」 日の丸も星条旗には敵わないってわけ。
「これでまたひとつアメリカが偉大になったわい」と私たちは勝って MAGA キャップの緒をしめる。ところが、その日から、とんでもないことが始まった。例の日本の首相が、私たちのアメリカ車と写った無様な写真を毎日、ネットに投稿し出したのだ。そればかりじゃない、日本政府が購入したアメリカ車をそこらの貧民にロハで配りでもしたのか、黄色いつり目のチビどもとアメリカ車の写真が世界中にばら撒かれてる。
いやはやこんなネガティブ・キャンペーンってある? 世界中でアメリカ車の販売数が冷え込み出した、しかも急激に!
これはヤバい、と私たちは今、アメリカ車を買うなと日本人にマジで抗議してる。