アメリカの社会保障番号を管理する社会保障局が、実際には生きている移民6千人以上を、勝手に法的に「死亡」扱いにしていたそうだ。こうすると、移民は身分証明ができなくなるため、就職もできないし、家を借りたり、銀行に口座を作ったりすることができなくなる。トランプ流移民追い出し作戦のひとつだという。
このニュースを聞いて、おそらく世界中のほとんどの人がゴーゴリの『死せる魂』を思い出したことと思う。
これは、記録上は生きていることになっているが、実際は死んでいる農奴を買い取ることで、富裕層に加わることができる、というビジネス戦略が書かれた世界的ベストセラーだ。
全ビジネスパーソン必携と呼ばれるこの書を読んで以来、私は日本でもなんとかこのスキームでひと儲けしたいと考えていた。だが、残念ながら日本に農奴がいないせいで、なかなか着手できずにいた。ところが、このニュースに触れるや、天啓の如くビジネス・アイディアが閃いたのであった。
あまり詳しく書くことはできないが、「死者にはビザの必要がない」「死者は人権とも労災とも賃金とも無縁」「役所の手続きは賄賂でなんとかなる」といえばご想像つくだろうか。
もちろん労働力不足に悩む日本の企業様にとって文句なしの朗報だ。「ご好評につき、海外から死者大量入荷!」 そんな宣伝文句が今からちらついている。