苦い文学

Apple Music の手(2)

Apple Music が、私たちの洋楽ライブラリをどんどんカタカナにしてしまっているということを書いたら、こういうお声をいただいた。

「まったく同感です。アーティスト名がカタカナだと、もとの綴りがわからない場合があって、Wikipedia などで調べたいときにちょっと困ります」

また反論もあった。「それなりの知名度のミュージシャンでもアルファベットのままだぞ。Dinosaur Jr. とか、Yo La Tengo とか」 確かにそうかもしれないが、そうしたミュージシャンも半年後には、カタカナになっているかもしれないのだ。

そして、ある人がこう言うのには私はうれしくなってしまった。

「XTC、R.E.M、U2 はどうだ。これらはカタカナになっていないではないか」

私はさっそく Apple Music の NRBQ のページを開いてみた。NRBQ だ。私は「ついにカタカナの侵食を食い止めてくれたか……」と感慨深く眺めていたが、やがて恐ろしいことに気がついた。

「いや、もしやこれは日本語のローマ字であって、英語のローマ字ではないのではないか。ああ、FRUIT ZIPEER や ME:I がカタカナにならないのは、これは日本語のローマ字だったからなのだ!」

バカげているとお思いになるかもしれないが、これが真実なのだ。