私はかつて酒と飲み歩きが趣味だった。毎晩のように仲間と酒場に繰り出しては、あの酒やこの酒を楽しみ、つまみを味わい、バカ話をして酔いしれていたものだった。
しかし、自分でもどうしてかわからないのだが、私は数年前にふっつり酒を辞めてしまった。そして、当然のことながら、飲み歩きにも行かなくなった。そもそも外出というものもしなくなったし、かつての飲み仲間とも疎遠になり、孤独となった。
酒が趣味であった私は、まったくの無趣味となってしまった。私は新しい趣味を始めようとした。トライアスロンに挑戦したり、米粒に観音様を描いたり、撮り鉄のひとりとなって悪態をつきながら電車の写真を撮ってみたりしたが、長続きしなかった。この年齢から新しいことを始めるのは無理かもしれない、と思ったりした。
だからといって、以前のように酒を飲み始めようとも思わなかった。酒がない生活は、二日酔いもなければ、頭痛もない。私はそれが気に入っているのだ。
最近では私は、趣味を聞かれたら、禁酒と答える。あと、飲み歩かずもだ。