自己肯定感と守護霊は似ている。
というのも、どちらも人生の成功、幸福、安らぎに大きな役割を果たすと言われているから。逆に言えば、惨めな人生を送っている人は自己肯定感が低く、また守護霊も応援していないと考えられている。
まだ似ているところがある。それは、どちらも本当にあるのかどうかわからないという点だ。いや、自己肯定感をバカにするな、ちゃんとした心理学の概念だ、という人もいるかもしれない。私は心理学はよくわからないが、多分、その存在に関する科学的根拠はなさそうだ。そして、守護霊の存在に科学的根拠がないのはもちろんだ。どちらも幻みたいなのだ。
それに、私たちは普段生きているとき、自己肯定感も守護霊もあまり気にしない。いや、ないようなつもりで生きている。なにか困ったとき、つらいとき、苦しいときだけ、その説明原理としてどちらも現れる。楽しいとき・好調なときに「俺は自己肯定感が高いから気分いいな」とか、「これは守護霊のおかげだ、ありがたや」などと考える人はいない。
もしかしたら、どちらも生きる上では不要なのではないだろうか。なんだか、ますます幻のような気がしてくる。
そして、もっとも似ているのは、それで金儲けする人、つけこむ奴らがいる点だ。私たちはこうしたペテン師たちに喜んで大金を支払うのだ。
こうしてみると、むしろ、自己肯定感も守護霊も、私たちを苦しめるためにでっち上げられたマヤカシだというのがふさわしい。