古代中国の春秋戦国時代の話です。当時は「諸子百家」と呼ばれるさまざまな思想家が現れ、競って諸侯に自分の政策を採用するように提案したものでした。
ある思想家が、共という国にやってきて、王にこういいました。
「王よ、王の国は今まさに三低三少、四無五失、八失人員によって滅びようとしています」
当時の資料によれば、「三低三少」とは地位が低く、付き合いや少ない人、「四無五失」とは、家族や資産などがなく、失敗と失意の人生を送る人、「八失人員」とはすべて失った人のことをいうそうです。
王は答えました。「お前の提案を述べよ」
「三低から三少を引くとすなわち何もなくなります。四無と五失を足すと九です。この九から八失人員の八を引くと一になります」
王はあまりに愚かな解決策に声を荒げて尋ねました。「お前は、その残りの一をどうしようというのか」
思想家は平然と答えました。
「この一から一党独裁の一を引けば、何もなくなり、すべて解決いたします」
この思想家がその後どうなったかについては、いかなる歴史書にも記されておりません。