苦い文学

はしゃぎすぎ問題

2024 年の外国人観光客数が 3300 万人を超え、いつのまにか観光大国となっていたニッポン。訪日外国人の増加とともに、観光地や交通機関などでの迷惑行為が問題となっています。

文化の違いなどさまざまな原因が考えられますが、やはりもっとも大きな要因は「はしゃぎすぎ・調子に乗りすぎ」でしょう。

外国人観光客はそもそも、観光するため、遊ぶため、日常から飛び出てハメを外すために日本に来ているのですから、はしゃぎすぎたり、調子に乗ったりするのは無理もありません。ただ問題は、いつも通りの日常を生きる私たちにとっては迷惑だということです。

外国人観光客の迷惑行為については、この違いを理解した上で、対策を講ずることが肝要です。

さて、私たちもまた、旅行中は、はしゃぎ、調子に乗るわけですが、いったいどんなときに、しらけてシュンとしてしまうでしょうか。それはもちろん、仕事やら出勤やら支払いやらの日常のあれこれを思い出したときです。としますと、訪日外国人の「はしゃぎすぎ問題」も同じように「解決」できるのではないでしょうか。

ここで、中国人観光客を例にとってみましょう。中国からの観光客は 600 万人を超え、訪日観光客全体の約 2 割を占めますから、「はしゃぎすぎ」による迷惑行為もかなりの件数に及ぶと考えられます。

では、これらの中国人観光客を否応なく現実に引き戻し、「ああ、結局帰らねばならないのだ……」とドンヨリとさせるにはどうしたらいいでしょうか。

もっとも確実なのは、最高指導者の習近平さんの顔を見せることです。中国の方々はこの顔を見たら故国での日常を思い出さずにはいられないのです。いや、むしろ、「はしゃぎすぎ問題」も、この顔がないから起きてしまうのではないでしょうか。

となると、私たちがすべきことは、観光地のあちこちに習近平さんの肖像を飾り、シールにして電柱に貼ったりすることです。主要な駅に銅像を建てるのもいいかもしれません。観光地で習近平マスクを無料で配布したり、そっくりさんに活躍していただくのも、効果的でしょう。

以上、中国人観光客についてお話ししましたが、他の国からの観光客に対しても、それぞれに有効な手立てがあるかと思います。また、私たちも、海外旅行のさいには、外務省の海外安全ホームページの「はしゃぎすぎ危険情報」を事前に熟読し、エッフェル塔の前での迂闊なポーズ等せぬよう十分な注意を払いましょう。