日本の政治家や野球選手は、不倫や性加害などのスキャンダルが発覚したとき、追及をうまく切り抜ける方法を知っている。その方法とは、追求が始まったらこんなふうにいうことだ。
「妻に怒られた」「妻に叱責された」「バカだね、と奥さんに怒られた」……
言い方はいろいろあるが、我が国のジャーナリストたちはこれを聞くと「なーんだ、もう怒られたのか、じゃあ追求はやめにしよう」とか「てことはもう奥さんの許しは得ているのだな、もう非難はやめだ!」と考えて、追求の矛を収めてしまう。
こうしたことが起こるのは、我が国では、妻が司法の一翼を担っているからだ。そして、この妻が裁判官を務める司法機関が家庭裁判所である。我が国の優秀なジャーナリストたちが、あっさりと追及をやめてしまうのは、すでに家庭裁判所において妻によって審理がつくされた訴訟を、家庭の外で蒸し返すのは、おかしなことだからだ。
さすがに法治国家だけあって、一事不再理の原則が徹底しているというべきだろう。