苦い文学

言文不一致

アジェンダ、コンプライアンス、アカウンタビリティ、エヴィデンシャリティ、オブノクシャス、ヒレイリアス、ペッティング……

日本復活党が政権を握ったとき、悪意に満ちた移民どもと一緒に追放したのが、これら意識の高い系の外来語だった。

そして、日本復活党は、美しい日本語を守るために、日本語純化を宣言した。「日本語は乱れてしまった! 私たちは本当の日本語を話すときに来ている! これからは国会も、学校教育も、公文書も、出版物も、すべて源氏物語時代の日本語に改める! それ以外の日本語を使うものは、反日勢力として処刑する!」

人々は叫んだ。「いとおかし!」 本当はもっと別のことが言いたかったのだが、教養と事情が許さなかったのだ。

ある学者によれば、今や、人々は 2000 通り以上の言い方で「いとおかし」を使い分けて、日々の生活を送っているそうだ。その学者はそのすべてを網羅した辞書も刊行したが、「いとおかし」としか書かれていなかった。