さて、これまでは利口な人の利口な行き方について話してきた。では、愚かな人の愚かな行き方とはどんなものだろうか。
それは、前日になってアウシュヴィッツの行き方を調べる人である。これは、まさしく私であった。私がポーランド、ワルシャワに到着したのは、9月4日。そして、9月5日にクラクフに移動して、その日の夕方になって、さて明日(6日)はアウシュヴィッツに行こう、とネットを調べ始めたのだった。
もちろん、ポーランド行きが決まってから、アウシュヴィッツは絶対に行こうと決めていた。私は収容所と見ると行かずにはおれないタチなのだ。だが、同時に行き当たりばったりのタチでもある私には、その先を考えるのは難しかった。そして、そのせいで、わざわざクラクフにまできたのに、あやうく訪問を諦めざるをえないところにまで追い詰められたのだった。
さて、ありがたいことに、ネットにはいくつか訪問記があり、原則として博物館のツアーに参加しなくてはならないことと、専用の予約サイトがあることを知った。これについてはすでに書いたが、私はその手順通りに進み、9月6日のツアーを確認した。そして、驚いた。
ツアーが、朝の8時台にポーランド語とロシア語の解説者のものしかないではないか。英語のツアーがあるはずなのに……と、翌日の7日を調べてみると、そもそもツアーがない。土曜日だから休館日かもしれない、しかしそんなことあるかな……などと、あちこち見ているうちに、ようやく私にもわかった。
要するにほとんどのツアーの定員が埋まってしまっていたのだ。7日は休館日などではなく、すべて満員というわけだった。
もう遅いのだ。これはもう無理かもしれない、と私は考えた。
(画像は博物館前の鳥)