苦い文学

ポーランドの道路

ワルシャワの街を初めて歩いたときに驚いたのは、車道と歩道に加えて自転車専用の道が整備されていることだった。これはおそらくヨーロッパの他の国でも同様だろう。

日本だと自転車は車道を走らなくてはならない。そして、これは特攻隊員と同じくらい、いやそれ以上に危険なことだ。なので、私は大いに感心した。

日本の自転車専用道路は車道の一部だが、ポーランドでは歩道と並んで作られている。なので、歩道のつもりで自転車専用道路を歩いてしまうことが幾度もあった。そのたびに自転車にベルを鳴らされ、恥入りながらあわてて歩道に移るのだった。こうした経験を繰り返し、私はやがて自転車専用道路を邪魔に感じるようになってきた。

その後、私はクラクフ、ポズナンと移動し、再びワルシャワに帰ってきた。私のポーランド滞在は12日間で、長いものではないが、自分でも驚いたことに、どんなにぼんやり歩いていても、自動車専用道路に入り込むなどということはなくなっていた。散々歩いたので、もう慣れてしまったのだ。

慣れといえば、ポーランドの車は信号のない横断歩道でも必ず止まってくれる、ということも以前書いた。最初のうち、私は停止した車に頭を下げたり、すまなそうに早足で渡ったりしたものだが、いつしか止まってくれた車のほうすら見ずに渡るようになってしまった。車が止まるのが当たり前、という状況に慣れてしまったのだ。

きっと、日本に帰ったら、私は横断歩道で轢き殺されることだろう。