苦い文学

雪国

私たちの日本語の先生は、よくない先生だ。話していることが分からないし、厳しいし、意地悪し……

先生は小説が好きだ。だから私たちに小説の言葉教える。これは私たちには意味ないね。使える日本語が欲しい。先生に言うと「小説を学ぶと心が豊かになります」だって。「ジブリとかアニメとか、くだらないものばかりではダメですよ」

でも、小説ばかり勉強してJLPTのN2合格できますか? 私たちはとても不安です。

このまえ授業で「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」を勉強しました。自由に思ったことを言いましょう。先生は言うけど、誰がいつ書いたかも、なんていう小説かもわからない。

私たちは言いました。

「これはある人がトンネルに入って、たくさん歩いてトンネルを出ると雪がたくさんある国だった、という意味です」

「そうかな」と先生が言いました。「歩いてかな。もっと、なにか、乗り物があるでしょう、ほら……」

「わかりました! ネコバスです!」

先生は怒り出して教室から出ていってしまいました。自由に思ったことを言いなさいと言ったのに、おかしくないですか。