昔、日本に外国人のきらいな殿様がいました。日本に外国人が増えすぎたのがどうにも気に食わなくなって、こんなお触れを出したのでした。
「ビザの切れた外国人は山に捨てること」
そこで人々は「これでまた人手不足だ」とかブツクサ言いながら、外国人を山に捨てたのでした。ですが、都内で小さな工場を営む社長は、長い間勤めてくれた外国人従業員を捨てることができず、工場の地下に部屋を作って、不法滞在となった外国人をこっそり匿ったのでした。
さて、日本では、何年も前から子どもが生まれなくなって、みんな困っていました。殿様は出生率を上げようといろいろなお触れを出したり、子どもが生まれた家の年貢を免除したりしましたが、なかなかうまくいきません。殿様はすっかり困ってしまい、国中にお触れを出して、良いアイディアのある者を急募したのでした。
社長が地下室の外国人にお触れの内容について話すと、外国人はこう言いました。
「子どもを増やすためには、女性や子ども、外国人などの弱い者にいやなものを押しつけたり、弱い者いじめを楽しむマインドセットを日本人が変えなくてはなりません。いったいいじめられるとわかっているのに生まれてくるバカがいるものでしょうか。日本人の考えが変わらなければ、子どもは絶対に増えないでしょう」
社長は、これはいい考えだとさっそく殿様のところに行って話しました。
すると殿様は「これはひどい反日思想だ。インチキ日本人め」と怒り出し、社長をオーバーステイ山に連行し、捨ててしまいました。