【旧札の替えどきは? 気鋭の経済学者のコラム ‼︎ 】
もうすでに多くの人が論じていますが、新札は大混乱を引き起こす、というのが大方の予想のようです。
なぜなら、この新札はどこででも使えないからです。自動販売機、自動券売機、ATM、レジの自動精算機……私たちの生活は、お金のやり取りはもうほとんど機械がやるようになっているのに、その肝心の機械が新札を受け付けてくれないのだから、あきれます。
かといって、新札に対応する機械の導入コストだってバカになりません。この不景気に、そのような負担ができる中小企業はまずないのではないでしょうか。
そんなわけで、私たちは旧札を使い続けざるをえません。ですが、政府としては新札を使ってほしいのですから、ジャンジャン刷って、旧札を回収します。その結果、使えない新札がますます出回っていくことになるのです。
こうなると、私は新札デフレが始まると見ています。つまり、新札の価値が下落して、旧札と等価でなくなってしまうのです。たとえば、福沢諭吉1万円手に入れるのに、渋沢栄一5万円分必要になるかもしれません。また、このままだと樋口一葉の5千円に津田梅子10枚分(5万円)支払うようになるでしょう。
もちろん政府はこのような交換を禁止するでしょうが、それでも、絶対に旧札は手放さないでください。
そのうち政府が、旧札1枚使用するごとにポイントを付与するキャンペーンを始めるはずなので……。