昔、女たちはみな頂かない女子だった。そして、男たちは頂かない女子を頂く頂きおじさんだった。
頂かない女子はそれが普通だと思っていたし、頂きおじさんたちも、頂いて当然だと思っていた。そんなわけで、頂かない女子は、頂きおじさんたちにすべてを頂かれて、最後はほとんどからになって死んでいったものだった。
あるとき、頂かない女子が、頂きおじさんの命令で、何も頂かずに家事労働していると、蛇が現れてこう尋ねた。
「お前はそのまま頂かれつづけの、なにひとつ得るもののない頂かれ人生でいいのかい。お前は自分の人生のために必要なものぐらい頂こうって気にならないのかい」
「でも、どうやって頂いたらいいか分からなくってよ」と頂かない女子が言った。
蛇は木から葉っぱを一枚取ると、頂かない女子に渡した。「この葉っぱでお前の大事なところを隠しなさい。そうすれば頂くなんて簡単だよ」
頂かない女子は蛇の言う通りにした。そこに頂きおじさんがやってきた。そして、頂かない女子の大事なところが葉っぱで隠されているのを見て、大興奮して叫んだ。
「早くその葉っぱを取るんだ!」
すると頂かない女子はこういった。
「頂けるものを頂かないかぎり取りません」
そして、そのときから、頂かない女子は頂き女子になり、頂きおじさんは頂かれおじさんとなった。
さて、蛇はといえば、昔、人間は「へ」を「ふぇ」、「び」を「み」と発音した。だから、頂きおじさんだった頃を懐かしむ頂かれおじさんは、今も「フェミ」が大きらいだ。