ナッジとは、厚生労働省のサイトによれば「人間の性質や行動原理に基づき自発的に行動するきっかけを提供する手法」ということだ。ナッジ(nudge)は英語で「小突く」とか「チョンチョンする」とかという意味で、要するに「チョンと後押しすることで行動を促す」というわけだ。
このナッジの活用例でよく挙げられるのに、トイレの「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」がある。これを見た人は「いつもきれいに使われているトイレを、自分が汚すわけにはいかない」と自発的にきれいにしようと気をつけるのだそうだ。「きれいに使用してください」とか「汚さないでください」とかよりも効果的なのだという。
さて、私の利用する駅の植え込みの上に、段ボールの切れ端が載せてあった。汚い字でこう書かれている。
「通行者の皆様、いつも 100 円置いてくださりありがとうございます」
数日後、再び通ると違う段ボールが置かれて、こうあった。
「いつも千円札を置いてくださりありがとうございます」
置く人がいたのだ! しかも第2弾で強気の金額設定をさせるほどに!
私は、ダンボールを持ち去り、駅のゴミ箱で捨てた。この段ボールの主のナッジナッジが、いつか命にまでエスカレートしないと、誰がいえよう?