苦い文学

覚悟

「あなたは祖国のために戦えますか」とその女性政治家は私たちに語りかけた。

「いま、日本は危機的状況にあります。私たちの周囲の国々はロシアのように野心をむき出しにしています。私たちのこの国はいまにもウクライナのようになるかもしれないのです。そのとき、みなさんは戦えますか。ウクライナの勇敢な兵士のように、銃を持って立ち上がれますか?」

私たちは「おお!」と叫んだ。女性政治家はほほ笑んだ。

「みなさんは違うようです! 日本では、間違った教育のせいで、多くの若者が国を憎むようになってしまいました。ですが、みなさんはまったく違うのです! なんと頼もしいことでしょうか」

私たちはだんだん上気してきた。もう戦場に行きたくてウズウズしてきたのだ。「ヤー!」 誰かが思わず叫ぶと、私たちみんなが「ホー!」と返した。 

「みなさん!」と女性政治家もまた叫んだ。「国のために死ぬ覚悟はありますか!」

たちまち嵐のような雄叫びが巻き起こった。私たちはその覚悟を問われるのをこれまで待ち続け、そしてついにその時が来たのだ! 私たちの国は、そこまでになったのだ。

私たちの反応に感極まった女性政治家はさらに次のように言って、私たちを熱狂させた。

「私もです! 君たちの貴重な命を失っても、自分の決断を後悔しない覚悟はできています!」