苦い文学

ふりがなフリガナ

申請書や履歴書などではトラップに気をつけてほしい。氏名の欄の上に必ず振り仮名の欄があるが、これがそうなのだ。

その振り仮名の欄をひらがなで書く。すると、書き終わった瞬間に、その欄が「フリガナ」と書かれているのに気がつく。もうこれで書き直しだ。

それで、今度はカタカナで最後まで書く。だが、なんということだろうか、そのときあらためて見てみると「ふりがな」と書かれているのだ。さっき見たときは「フリガナ」だったのに。

これでもう多くの人は申請書や履歴書を書く気をなくしてしまう。たとえ何十万円もの過払い金が返ってくる申請書でも、高収入の職に繋がるかもしれない履歴書でも、もう怖くて書けない。

だが、ここで諦めてはいけない。もう一度繰り返すが、これは罠なのだ。申請書や履歴書の数を減らして楽をしようとたくらむ輩たちの計略なのだ。

「ふりがな」と書かれていようと「フリガナ」と書かれていようと気にする必要などない。自分の好きなほうで書くのだ。そもそも、「ふりがな」なのにカタカナで書いてあると非難して、その書類をつっ返す権利は誰にもないのだ。たとえひらがなとカタカナでたがいちがいに書いたとしても、そんなことはできない。

「それでも……」と不安を拭えない方がいたら、安心してほしい。最後は万葉仮名で書けばなんとかなるから。