苦い文学

デヴィッド・ボウイのファイブ・イヤーズ漫談

店立ち並ぶ広場を通ると
母親たちがみんな悩ましげにため息
ニュースがたった今やってきたんだ
泣いてられるのも5年だけだって
ニュース番組の人は泣きながら告げる
地球が死にかけてるって
泣きすぎて顔がぐしょぐしょだ
で、嘘じゃないってわかった

5年しかない。しっかり見とくんだ
5年だって。なんてこった!
ファイブ・イヤーズ!
ファイブ・イヤーズ!
ファイブ・イヤーズ……

というわけで、先日私、ビルマ出身のカレン人とタイに行ってきたのですが、バンコクのスワンナプーム空港はもう立派なもので、キレイなんです。

それから、電車でバンコク市内に向かったのですが、車窓から見る景色はといえば、ハイウェイに、高層ビルと非常に発展しています。

そこでカレン人の友人がこういうのです。

「すごいね、バンコクは。ミャンマーは軍事政権のせいでなんにもない。50年前はヤンゴンのほうがよかったけど、いまはもうバンコクだね。ミャンマー政府が全部ダメにしちゃった……」

私はうなずきながらも、こう思ったんですね。

《50年前はヤンゴンのほうがすごかったって、別のカレン人からも同じこと聞いたぞ、20年前に……!》

50年? なんてこった!
フィフティ・イヤーズ!
フィフティ・イヤーズ!
フィフティ・イヤーズ……