再入国許可書というのは、日本にいる在留外国人で、事情によりパスポートがない人が、旅行などで一時的に出国するときに使うものだ。サイズはパスポートと一緒だが、赤でなくて茶色だ。
今回一緒にタイに行った私の友人は、この再入国許可書しかもっていない。なので、実質的にパスポートみたいなものだ。
日本から出るとき、日本のパスポートを持っている人は自動化ゲートで済ませられるが、再入国許可書の場合は同じようにできない。
なので、私の後について自動化ゲートに並んだ友人は、そこで弾かれて、紙に記入したりして、有人のゲートに並ばねばならなかった。しかし、それでも無事に出国はできたので、安心していると、搭乗の時に問題が持ち上がった。
搭乗ゲートを通過するさいに、スタッフが搭乗券とパスポートをチェックするが、そこで引っかかったのだった。
「これは再入国許可書なので、他にパスポートにかわる紙はありませんか」
友人は勘違いして「あ、在留カードですか」などといっている。だが、そんな紙はなのだ。そう言っても、向こうは納得しない。
考えてみれば、再入国許可書を持っている人はおそらくそんなにいないだろうから、わからないことがあるのもしょうがない。
結局、別のスタッフがやってきてそのまま通してくれた。
このやりとりの間、搭乗ゲートに向かう列は止まったままだった。私たちが列を止めていたのだ。あと1分余計にかかっていたら、後ろで待たされている人々の暴動が起きていたことだろう。