苦い文学

たったひとりの反乱

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐり、派閥の解散が止まりません。

岸田首相がみずから会長を務めていた岸田派の解散をいちはやく表明すると、翌日には、安倍派、二階派も解散を決定しました。いっぽう、麻生副総裁率いる麻生派は、政策集団として派閥を存続させる意向を示すなど、混乱が続きます。

こうした自民党の状況に危機感を持つのが、若手の議員たち。とくに、派閥でのしあがって料亭やら裏金やらを夢見ていた議員の間では失望が広がっています。

こんななか、声をあげたのが当選1回目の吉田四郎議員。「派閥は日本の伝統文化」といってはばかりません。

「自民党から派閥がなくなったら、だれが派閥を継承するのでしょうか。これは日本の政治の危機です」

そんな思いに突き動かされて、吉田議員はひとりで派閥を立ち上げました。「たったひとりでも、派閥は派閥」と語ります。

派閥の承認を求めて、党本部に直談判に赴いた吉田議員でしたが、この日はあいにく担当者が不在。「とんだひとり相撲でした」と思わず苦笑しつつも、「まだまだ諦めませんよ」と、英気を養うべくランチはひとり焼肉に。

「いつかひとり派閥で党三役を独占したい」と夢を語る吉田議員。ひとり派閥の奮闘はまだまだ続きます。