苦い文学

女性の扱い方

(本日、都内某所で、女性の扱い方についての講演が行われたが、以下はその講演記録からの抜粋である……)

……最近おおいに議論されておりますが、性加害を許すべきではないのはもちろんです。そればかりでなく、たとえ加害性が皆無でも、現代では女性の扱い方そのものが非常にセンシティブな問題だと捉えられるようになっています。

女性の扱い方が重要だというのは欧米ではすでに常識です。近年の #Metoo 運動でもはっきりと示されたように、女性に対するミストリートメントは憂慮すべき問題であるというのが、もはやグローバルスタンダードとなっているのです。

この点、日本では残念ながらまだまだ遅れていると言わざるをえません。今後、このグローバルスタンダードがしっかり日本社会に根付くかどうか、これは大きな課題です。こういうとまるで他人事のようですが、実際には、まさしく私たちの女性の扱い方が問われているのです。

女性の扱い方をけっして軽々しく考えてはいけません。慎重に慎重を重ねて臨むべきです。乱暴に扱ったり、ゆすったり、放り投げたりするのは論外です。やさしく、丁重に、心を込めて、置くときはそっと置き、横たえるときは両手でしっかり支える、そうした心配りが炎上を防ぐのです。

非常に難しいタスクですが、オールジャパンで挑めば、きっとやり遂げることができるはずです。

はい? なんでしょうか。どうぞ、ご質問があればおっしゃってください。ええ、女性の意見は、どうなのか、というご質問ですね?

お答えいたしますと、女性の扱いに女性の意見が必要でしょうか。扱うのは私たち男なのですから、むしろ男性の意見が重要では……