苦い文学

間違いだらけの優良講習

このたび、県警から表彰されることになった。5年間の運転が評価されて、優良運転者と認められたのだ。

思えば、5年前、はじめて免許の更新に行ったとき、つらく悲しいビデオばかり延々と、いや永遠と見せられて、もう絶対にこんな目には会うまいと決意したのだった。そのとき以来、私は優良運転者を目指すようになった。

いつだって安全運転だ。制限速度はきちんと守り、どんな標識も見逃さなかった。横断歩道では必ず止まった。人がいなくても止まったこともある。

そればかりではない。私は車に乗っていないときも、恥ずかしくないような生活を送るよう心がけた。なぜなら、すぐれた運転はすぐれた生活から生まれるからだ。酒と薬物に溺れた生活からは安全運転は生まれない。

優良運転者にふさわしい教養を身につけることだって大事だ。徳大寺有恒先生の著書を何冊も熟読し、その結果、どんなときでも「メルツェデス」「ジャグァー」「シトローエン」と言えるようになった。

そうした私の研鑽ぶりが現場の警察官たちの目に止まり、優良運転手として県警に推薦されたのではないかと思う。

明日は、いよいよ優良講習の日だ。着ていく礼服も準備万端だ。副賞があるものかわからないが、もし金一封があれば、被災地に寄付したい。