犬は人間だろうか。最近、そんなふうに思わされる出来事が多い。この間など、犬を「ひとり、ふたり」と数えていている人がいた。「匹」ではないのだ。その人に「エサあげたか」と聞いたら怒られた。「ご飯」なのだそうだ。
また、痛ましい飛行機事故をきっかけに「犬は貨物ではない。飼い主と同乗できるようにしてほしい。そうすれば事故のときに一緒に逃げられるから」という人々も現れた。こうした発言は「いや、犬は手荷物なので一緒には逃げられない」「アレルギーの人はどうするのだ」などと大いに炎上した。それはさておいても、犬を人間あつかいする人が確実にいるのだ。
さらに、今日、韓国では犬食禁止令が出された。犬を食べることは、もはやカニバリズムとみなされるようになったのだ。これも犬の人間あつかいだ。
いや、これを人間あつかいと呼ぶべきだろうか。むしろ、より正しくは、犬が人間の方向へと進化を始めている、というべきではないだろうか。
太古の昔、犬は狼だった。それが人間との接触によって犬となったのだ。ならば、さらに犬から人間へと進化してもおかしくはない。
いつの日か、犬は犬であることを脱し、人間となるだろう。そして、犬たちは堂々と機内に乗り込むだろう。「フィッシュ・オア・ミート?」との問いかけに、自分が食べられていたことも忘れて「ミート」と答える時代が来るだろう。
そのとき、貨物室にいるのはもしかしたら、あなたのような人間たちかもしれない。