内閣は新しい少子化対策担当大臣に、日本一のバカを任命した。これまで頭の良い人々がなにをやっても成功しなかったので、逆の人に担当させてみたらうまく行くのではないかと考えたのだ。
バカで新しい少子化対策担当大臣は、就任にあたって次のように述べた。
「日本は世界でももっとも少子化が進んでいる国のひとつです。現在、日本の出生率は、1.26 %と過去最低を記録しています。これは、1 と 0.26 の子どもしか生まれないということです。このままでは日本がなくなってしまうので、私は全力をかけてこの問題に取り組みます」
そして、次のようなバカで骨太な政策を掲げた。
「任期中に、出生率を 2 %にまで上昇させることをお約束します。現在の 1.26 %のうち、課題なのは、0.26 という小数点以下の子どもたちです。これらの 1 に達しない子どもたちが、1 になったら、間違いなく出生率は 2 %になります」
さっそく大臣は、0.26 の子どもたちの支援を始めた。0.26 が 1 になるようにするのは非常に大変だった。教育も大事だし、家庭環境の改善も重要だ。所得も上がる必要がある。医療と福祉の果たす役割も不可欠だ。0.26 の子どもたちが、すこしでも 1 に近づけるように、大臣はさまざまな政策を実現していった。
バカな大臣のバカな政策だったが、不思議と出生率は上がりはじめている。