苦い文学

私は宇宙人に襲われた

衝撃的なニュースが世間を騒がしている。今からちょうど 8 年前、2015 年のとある夕方、東京都北区尾久の野原を散歩していた 20 代の女性Aさんが、UFOに誘拐されたのだ。そのアブダクションの全貌を、彼女は先日、週刊文春で告白した。

彼女によると、突然まばゆい光に包まれ、その中から現れたリトルグレイが「私は遠い星からやってきた。あなたを私たちの宇宙船に招待したい」と語りかけてきたのだという。恐怖に身を動かすことのできなかったAさんには、うなずくしかなかった。

リトルグレイに宇宙船に連れて行かれたAさんは、そこで別の宇宙人に出会った。それは金の光に包まれた体の大きい宇宙人で、前に立ったとたん、Aさんの体は動かなくなった。そして、宇宙人はAさんの体に異様な操作を行った。Aさんは恐ろしさに悲鳴をあげ、そこで彼女の記憶は途切れる。

気がつくと、Aさんは真夜中の野原にひとり倒れていた。この奇妙な体験以後、Aさんは PTSD に苦しむようになった。今回、自分のアブダクション体験を公表したのも「同じように苦しんでいる人の力になるかもしれないと思って」と語る。

この告白は大きな反響を引き起こしたが、以下にまとめたように否定的なものもみられた。

「宇宙船に連れて行かれて何もされない思っているのがそもそもおかしい」
「8 年前のことを今さら蒸し返すのはなんか裏があるね」
「とんだ尻軽女だ」
「なんでアブダクションされたときにムーの編集部に行かずに、今頃になって文春に売るのかね。金目当てだ」
「これで宇宙人が地球に来なくなったらどうするのだ」

もっとも、まともな人々もたくさんいて、こうしたネガティブな反応を「セカンド・コンタクトだ」と非難している。