苦い文学

コロちゃん

今日、病院に行ったら、60代の担当医がこう助言してくれた。

「最近は、インフルエンザが下火になってきたかと思ったら、コロちゃんが再び増加してきています。コロちゃんは若い人がなっても大したことはないですが、50代以上の人がかかると大変なので、コロちゃんにしっかり注意してください」

なぜ「コロちゃん」なのか。私は非常に気になり、その理由をいくつか考えた。

1)コロナを克服したので、もう怖くないぞという意味での「コロちゃん」
2)「コロナ」と聞くと怖がる患者を安心させるための「コロちゃん」
3)災いを招く「コロナ」を忌避する呪術的な「コロちゃん」
4)もともと病気をちゃん付けする医師なので「コロちゃん」
5)ちゃん付けなどではなく、正式な医学用語としての「コロチャン」

だが、私はこれらのどの理由にも納得できなかった。そこで、辞書を引くと「ちゃん」は「親しみをあらわす」とある。おお、なんと恐ろしいことではないか。

もしも、医者とコロナは私たちが思っているような「敵同士」ではなかったとしたら……!

もしも、お互いちゃん付けで呼び合う仲だとしたら……!

そして、ひた隠しにしてきたその関係が、今日、ポロリと出てきてしまったのだとしたら……!

そして、ああ、私がさんざんバカにしてきた陰謀論が、マスコミの報じない真実だったとしたら……?!!!