諸報告

日韓市民100人未来対話

11 月 24 日から、11 月 26 日にかけて、韓国の仁川で開催された「日韓市民100人未来対話」というプログラムに参加してきた。日韓からそれぞれ 50 人が参加し、私も日本側のひとりというわけだ。

このプログラムは、韓国国際交流財団、ソウル大学日本研究所、早稲田大学韓国学研究所の共催するもので、日本と韓国の関係を市民の対話を通じて育もうという目的のもと始められた。

どういうことをするかというと、4 つのテーマが設定され、20 〜 30 人ぐらいの分科会に分かれて討論をする。そのテーマは次のようなものだ。

分科会1:プラネタリーヘルスのための地域社会協力の可能性
分科会2:ポスト真実時代、ソーシャルメディアの中の日韓関係
分科会3:持続可能な日韓関係のための未来世代交流
分科会4:科学技術の発展と市民参加、そして実践

11 月 25 日の午後が、この分科会にあてられた。私が参加したのは、「ポスト真実」の分科会で、同時通訳つきなので、日本と韓国からの参加者の興味深い話や意見をいろいろ聞くことができた。とくにネットの誹謗中傷、フェイクニュースの問題について関心を持っている人が多かった。

この分科会の前、午前中に、開会式が行われ、成川彩さんという韓国映画やドラマをテーマに執筆活動をされている方が基調講演で登壇された。日韓の文化交流に関する話だったが、その中でこんなことを言われた。

「韓国のドラマでは怒るシーン、日本のドラマでは謝るシーンが多いのが面白い特徴。あと、韓国のドラマの喫茶店などのシーンで、怒った人がコップの水を相手にかけるシーンがあるが、これはドラマならではの怒りの表現で、実際にはそんなことをしない」

さて、私の参加した「ポスト真実」の分科会だが、一人一人発言を求められる場面もあった。難しいテーマだったので私は何を言おうかと困ったが、こんなことを言った。

「韓国ドラマでコップで水をかけるシーンを見て、本当にそうするのだと信じていたが、午前中の講演を聞いて嘘だとわかりガッカリした。フェイクニュースではなくちゃんと事実を知ることが大事だ」

会場の失笑を誘ったが、司会の韓国の方が「いや、私は実際に見たことがある」とフォローしてくれたのでありがたかった。