苦い文学

YO LA TENGO

今年の初め、家族に病気の者があって、つきそいで何度も病院に行った。大きな病院で、たくさんの患者がいる。

老人ばかりだ。これらの老人を見ているうちに、私はあることに気がついた。みんな痩せているのだ。

そこで私はこう考えた。「太った老人がいないということは何を意味するか。つまり、太った人は老人になる前に死んでしまうのだ」

決して痩せているほうではない私にとっては大問題だ。

これが偽であることを示すには、ひとり太った老人がいればいい。だが、私にはまったく思い浮かばなかった。いろいろ考えているうちに、アメリカのバンド、NRBQ のギタリストだった Al Anderson のことを思い出した。通称 Big Al Anderson と言われるくらい大柄な人だ。年齢を調べてみると、70 代後半だ。これで一安心だ。が、念のため、YouTube で検索してみて、愕然とした。

もはや big とは言えない健康的な体型だったのだ!

ここで捜査はふりだしに戻った。だが、このことを友人に話したら「太った老人は病院になど来ないのでは」との指摘をいただいた。その可能性もあろう。

ところで、私が NRBQ を知ったのは、Yo La Tengo のカバーした Magnet を聞いたのがきっかけだ。その Yo La Tengo が 11 月 6 日、恵比寿に来るというので、見に行ってきた。

音源を聴いていてはわからなかったが、ライブではとても激しく、それでいて丁寧で誠実さのある演奏だった。

おもにベースを担当している James Mcnew もけっこう大柄で、「これは!」と思ったが、実際は私と歳は変わらないのであった。