さきほど、新たに結成された愛国保守政党が記者会見を行った。党首は、党の二つの根本理念について、以下のように堂々と説明した。
「私たちの党の大きな目的のひとつは、政治から老害を退場させることです。どうです、現在日本で行われている政治ときたら。歳をとっただけの老害政治家が自分の既得権益を守るだけではないですか!」
(大きな拍手)
「これでは我が国は老害国家です! 老害たちには即刻ご退場願いましょう」
(さらに大きな拍手)
「私たちはそのかわり、政治に若い力を結集し、なにものにも束縛されぬ、決断力ある、スピード感あふれる政治を行います!」
(割れんばかりの拍手)
「もうひとつの我が党の目的は、日本の国柄を守る、これです」
(大きな拍手)
「日本は世界でもっとも歴史ある国です。そのもっとも古い国のやり方を尊ぶのが、我が国の政治でなくてなんでしょうか!」
(さらに大きな拍手)
「LGBT法? 移民の受け入れ? そうした新しい未熟な政策が、我が国の国柄にふさわしいとはとうてい思えません! 歴史の風雪に耐えた伝統こそが尊いんです。それをとことん守るのが政治の務めです!」
(割れんばかりの拍手)
(フロアからすっとんきょうな声)「えっ、日本は歳をとっただけの老害国家だから退場しろだって?」