私たちの駅の改修工事はいったいいつ終わるのだろうか。
私たちはかつて、バルセロナのサグラダ・ファミリアが完成するまでに何百年もかかると聞いて、驚いたものだった。だが、もはや私たちは驚かない。
なぜなら、私たちの駅でもそれ級の大工事が進行しているからだ。私たちが子どものころにはすでに工事が始まっていた。そして、何十年も昔のことなのに、まだ工事は終わっていないのだ。
しかも、私たちは駅がどうなるのか、ホームが増えるのか、コンコースができるのか、駅ビルが立つのか、地下道が張り巡らされるのか、まったくわからない。
わかっているのは、ホームのあちこちに仮囲いが設置されていることと、それが絶えず移動していることだけだ。いったいなにを囲っているのだろうか。これも私たちにはわからない。
なにが原因だったかというと、駅長だ。この駅長、駅長室にこもって、駅の模型と睨めっこしながら、次から次へと素人考えで改修案を出すので、工事業者が振り回されていたのだ。
「やれ、あそこに売店を作れ……いや、売店はやめだ、美しい噴水にしよう……」
もっとも、その駅長は最近死んだ。新しい駅長になったのだ。
これでようやく工事も終わる、と期待を抱いた私たちだったが、その後、その駅長が建築士の資格をとったことを聞かされた。