苦い文学

自己肯定感

ダメ、ゼッタイ!

「一回だけなら……」「すぐにやめられる……」 そんな気持ちで自己肯定感に手をだす人々が増加しています。

自己肯定感は、乱用する者を蝕むばかりか、その影響によって引き起こされる幻覚や妄想から、他人に被害を及ぼすことにもつながります。

依存症の危険もあります。自己肯定感の効果が切れると、自己否定感に苛まれるようになるのが依存症です。もっと強い自己肯定感を求めて、高額で無意味なセミナーやコーチング、スピリチュアル・セッションにハマるようになってしまうのです。

自己肯定感乱用者の告白 その1
「仕事のことで悩んでいた時に「自己肯定感を高めると魔法みたいになんでもできるようになるよ」と言われたのがきっかけでした。乱用が続いた結果、中身がスカスカの安っぽい自己啓発本で部屋がいっぱいになってしまい、自己嫌悪の毎日です」

自己肯定感乱用者の告白 その2
「自己肯定感を高めると、急に元気が出てきて、自分がスーパーマンになったような気持ちになりました。いっさいの批判を受け付けなくなったため、気づくと、知性はガタガタになり、幻覚症状が出て、陰謀論やヘイトスピーチを撒き散らすようになりました」

自己肯定感の乱用によりこのような恐ろしい事態が引き起こされますが、防止策としては、自己肯定の反対は自己否定ではなく、他者否定であるということに気づくのが効果的です。