海外旅行に行くときほど、私たちが貴重品に気をつけるときはない。
まるで海外はみな泥棒ばかりのようだ。スリに置き引き、寸借詐欺に賭博詐欺、美人局に強盗、あの手この手で、我々の富を奪いにかかってくる。
もちろん、実際のところ、悪い人というのはそういない。だが、旅行者というのはお金を持っているものだし、また、しばしば現地の情勢に無知でもあるので、悪い人々の標的になりやすいのもたしかだ。
8月の初旬から2週間ほど、外国に行ってきた。その間、パスポートと貴重品には十分な注意を払い、特に何かの被害にあうこともなく、無事帰国した。そして、成田空港のベンチにメモ帳を置き忘れた。
外国でさんざん注意していたにもかかわらず、帰国してなくすとは、と呆れたが、成田空港の落とし物窓口に電話すると、あるということだったので、翌々日に取りに行った。
さて、メモ帳はリングノートで、いちいち閉じないで一番新しいページを開いたままにしている。そこに何が書いてあったかというと、2日前に投稿した「革命的山猫同盟」の下書きだ。読まれたら、と思うと恥ずかしいが、いずれにせよ、届けてくれたのはありがたいことだと思う。