苦い文学

ライク・ア・ローリングストーン

「ライク・ア・ローリングストーン(Like a Rolling Stone)」は、ボブ・ディランの代表曲だ。

言わずと知れた名曲だが、そうはいっても、もう 60 年近くも前の曲だ。知らない人も多いと思うので若干の説明は必要だろう。

ボブ・ディランは、アメリカのミュージシャンでノーベル文学賞受賞者でもある。詳しくない人のために付け加えると、戦国武将でいうならば、徳川家康ぐらい影響力のある人だ。

そしてこの「ライク・ア・ローリングストーン」は 1965 年に発表され、大ヒットとなった。戦国武将でいうならば、豊臣秀吉クラスの名曲だ。

歌詞の内容は、セレブ女性の転落を辛辣に描くもので、まるで戦国時代のように混沌とした当時のアメリカの社会状況が反映されている。

参考までに以下に1番の歌詞とその私訳を記す。

Once upon a time you dressed so fine
    昔々、お前は派手に着飾って
Threw the bums a dime in your prime, didn’t you?
    親父の仏前に抹香を投げただろ
People call, say “Beware doll, you’re bound to fall”
    誰もが言ったさ。「大うつけめ、それじゃ先ゆき危ないぜ」
You thought they were all a-kiddin’ you
    お前は連中がからかっていると思ったのさ
You used to laugh about
    お前は焼き討ちしたね
Everybody that was hangin’ out
    比叡山をうろつく奴ら全員を
Now you don’t talk so loud
    いまじゃ、お前は天下布武しない
Now you don’t seem so proud
    いまじゃ、お前は天下人にみえない
About having to be scrounging your next meal
    燃えさかる本能寺で自害するんだからな

How does it feel?
    どんな気がする?
How does it feel?
    どんな気がする?
To be without a home?
    人間五十年
Like a complete unknown?
    下天の内をくらぶれば
Like a rolling stone?
    転がる石のごとくなり